ウンカの生態と被害

ウンカ類
成虫・幼虫と主な被害

トビイロウンカ

セジロウンカ

ヒメトビウンカ

雌(♀)

トビイロウンカ

トビイロウンカ
雌(♀)
  • トビイロウンカ 短翅型 トビイロウンカ 短翅型

    短翅型
    (翅が短い)

  • トビイロウンカ 長翅型 トビイロウンカ 長翅型

    長翅型:約4.8 mm
    (翅が長い)

  • セジロウンカ 短翅型

    短翅型
    (翅が短い)

  • セジロウンカ 長翅型

    長翅型:約4.5 mm
    (背面が白い・翅が長い)

トビイロウンカ
雄(♂)
トビイロウンカ 4.5 mm

約4.5 mm(翅が長い)

  • ヒメトビウンカ 短翅型

    短翅型
    (翅が短い)

  • ヒメトビウンカ 長翅型

    長翅型:約4.0 mm
    (背面が白い・翅が長い)

トビイロウンカ
幼虫(中~老齢)
トビイロウンカ 紡錘形

紡錘形(淡褐色~黒褐色)

トビイロウンカ
主な被害
トビイロウンカ 坪枯れ被害

坪枯れ被害

雄(♂)

セジロウンカ

トビイロウンカ 4.5 mm

約4.5 mm(翅が長い)

セジロウンカ
雌(♀)
  • セジロウンカ 短翅型

    短翅型
    (翅が短い)

  • セジロウンカ 長翅型

    長翅型:約4.5 mm
    (背面が白い・翅が長い)

セジロウンカ
雄(♂)
セジロウンカ 4.0 mm セジロウンカ 4.0 mm

約4.0 mm(背面が白い)

ヒメトビウンカ 3.5 mm

約3.5 mm(背面が黒い)

セジロウンカ
幼虫(中~老齢)
セジロウンカ 長い菱形

長い菱形(灰褐色~灰黒色)

セジロウンカ
主な被害
セジロウンカ 黒すじ萎縮病

イネ南方黒すじ萎縮病を媒介

幼虫(中~老齢)

ヒメトビウンカ

トビイロウンカ 紡錘形

紡錘形(淡褐色~黒褐色)

ヒメトビウンカ
雌(♀)
  • ヒメトビウンカ 短翅型

    短翅型
    (翅が短い)

  • ヒメトビウンカ 長翅型

    長翅型:約4.0 mm
    (背面が白い・翅が長い)

セジロウンカ 長い菱形

長い菱形(灰褐色~灰黒色)

ヒメトビウンカ
雄(♂)
ヒメトビウンカ 3.5 mm

約3.5 mm(背面が黒い)

ヒメトビウンカ
幼虫(中~老齢)
ヒメトビウンカ 長楕円形 ヒメトビウンカ 長楕円形

長楕円形(黄白色~暗黒色)
(体側の色が濃い)

ヒメトビウンカ
主な被害
ヒメトビウンカ イネ縞葉枯病

イネ縞葉枯病を媒介

主な被害
トビイロウンカ 坪枯れ被害

坪枯れ被害

セジロウンカ 黒すじ萎縮病

イネ南方黒すじ萎縮病を媒介

ヒメトビウンカ イネ縞葉枯病

イネ縞葉枯病を媒介

トビイロウンカと
セジロウンカの生態

  • イネにのみ寄生
  • 国内では越冬できない
  • 梅雨時期の6~7月に飛来
  • トビイロウンカ

    • 増殖率が高いため、飛来した成虫の第2世代以降が問題となる
    • 「坪枯れ」を引き起こす
    • 秋ウンカと呼ばれる
  • セジロウンカ

    • 第一世代が主に問題となる
    • ウイルス病であるイネ南方黒すじ萎縮病を媒介する
    • 夏ウンカと呼ばれる
  • トビイロウンカによる坪枯れ


    トビイロウンカは生息密度が低い時や若い稲の生育時期に、定住型の短翅型が高い確率で出現し、増殖を繰り返します。

    増殖した虫がイネを吸汁し、吸汁害が起こります。
    トビイロウンカの場合、生息密度が最も高い部分から坪状に枯れ始め、枯れ込みは次第に周辺部へと広がっていきます。

  • トビイロウンカによる坪枯れ トビイロウンカによる坪枯れ
  • トビイロウンカとセジロウンカの飛来パターン


    ウンカは自身では長距離を飛行してくることはできませんが、梅雨時に東シナ海で発生する南西風(下層ジェット気流)に運ばれて、およそ1日~1日半をかけて中国大陸から九州に到達します。

  • トビイロウンカとセジロウンカの飛来パターン トビイロウンカとセジロウンカの飛来パターン
  • トビイロウンカとセジロウンカの飛来パターン


    ウンカは自身では長距離を飛行してくることはできませんが、梅雨時に東シナ海で発生する南西風(下層ジェット気流)に運ばれて、およそ1日~1日半をかけて中国大陸から九州に到達します。

ウンカ類飛来予測について

  • 一般社団法人日本植物防疫協会では、農研機構で開発された「イネウンカ類長距離シミュレーションモデル」により予測した飛来状況を地図上に表示するシステムを作製し、同協会が運営するJPP-NETのホームページで公開しています。
    毎日ウンカの発生地域で、1日2回、明け方と夕方に飛び立ったウンカが風に乗り運ばれてくる様子を2日先まで予測した動画を見ることができます。

  • ウンカ類飛来予想図
    (JPP-NETより引用)

ウンカは南西風(下層ジェット気流)に運ばれてくるため、数日先までの風や温度などの情報が含まれている気象予報データを利用することにより、 アジアのどの地域から日本のどの地域にウンカが飛来するかを予測しています。

なお、本モデルにおいては、発生現地でのウンカの発生状況に関する情報は得られていないため、常に発生地域から一定数のウンカ(トビイロウンカ、セジロウンカ)が飛び立つと仮定して計算しています。このため、本モデルで飛来量の推定を行うことは出来ません。

  • JPP-NET
  • JPP-NETとは、
    一般社団法人日本植物防疫協会が農作物の病害虫防除に関する情報を総合的に
    提供している有料の情報提供サービスです。

イネ南方黒すじ萎縮病の症状

  • 葉先のねじれ

    葉先のねじれ 葉先のねじれ
  • 株の萎縮

    株の萎縮 株の萎縮
  • 葉脈の隆起

    葉脈の隆起 葉脈の隆起

水稲病害虫の防除に関する技術検討会資料
セジロウンカによって媒介されるイネ南方黒すじ萎縮病について
九州沖縄農業研究センター 松村正哉より

発生パターン

トビイロウンカ

トビイロウンカの発生パターン トビイロウンカの発生パターン
  • 6月~7月の梅雨時期に下層ジェット気流に乗って中国から飛来する
  • 飛来後、3世代かけて増殖し続け、栽培後半に「坪枯れ」被害を引き起こす

ヒメトビウンカ

トビイロウンカの発生パターン トビイロウンカの発生パターン
  • 小麦でも大発生するように、イネ以外にも寄生できる
  • 国内でも越冬できる
  • イネへの直接加害の被害はほとんどなく、イネ縞葉枯病、イネ黒すじ萎縮病の媒介虫として問題になる
  • 越冬世代が小麦やイネ科雑草で増殖し、水田で増殖する
  • 近年、中国からの飛来も確認されている

イネ縞葉枯病の症状

  • イネの生育初期に発病


    • ・新葉が黄白色に褪色し、こより状に巻いたまま伸び、弓状に垂れ下がる
    • ・「ゆうれい」症状と呼ばれる
    • ・分けつも少なく枯死する
    • ・約45%の減収
  • ゆうれい症状

    イネの生育初期に発病 イネの生育初期に発病

    ゆうれい症状

  • イネの生育初期に発病


    • ・出穂しないか、出穂しても出すくみ症状となる
    • ・発病が遅いほど症状は軽くなる
    • ・約20%の減収
  • 穂の出すくみ

    イネの生育初期に発病 イネの生育初期に発病

    穂の出すくみ

  • イネの生育初期に発病


    • ・出穂しないか、出穂しても出すくみ症状となる
    • ・発病が遅いほど症状は軽くなる
    • ・約20%の減収

ウンカ類についての新聞記事

全国農業新聞 2019年2月22日付 掲載記事を一部抜粋
執筆者:松村 正哉氏(農研機構)

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  • JA全農
    松村 正哉(農研機構)