ダイバーシティの推進

クミアイ化学グループ人財マネジメントに関する基本方針

  1. 働きがいのある職場の構築
    クミアイ化学グループは、「人財」が企業の持続的成長に欠かせない最重要なファクターであると捉え、ワークライフバランスの実現による生き生きと働ける職場環境の実現に積極的に取り組むとともに、「存在感」「達成感」「将来への希望」を持ち続け、仕事を通して自己実現ができる環境の整備を進め、従業員幸福度の向上に努めます。
  2. 安全で健康的な職場環境の構築
    クミアイ化学グループは、労働災害と疾病を未然に防止するとともに、従業員の代表者も参加する安全衛生委員会での協議を反映して、安全衛生・防災に係る法的要求事項を従業員に周知徹底するなど、安全で健康的な職場環境の整備を進めます。
  3. 公正な労働条件の確保
    クミアイ化学グループは、結社の自由および団体交渉権を含む労働に関する基本的な権利を尊重し、労働組合との協議会における建設的な労使の対話を通じて、最低賃金規定や労働時間規制など労働に関する法令を遵守するとともに、均衡の取れた人事体系の維持やさらなる待遇の改善に努めるなど、公正な労働条件の確保に努めます。
  4. 公平・公正な人財マネジメント
    クミアイ化学グループは、公平・公正な人財マネジメントと人財育成を支える制度の下、倫理観に富み企業理念に則り行動できる人財や高い専門性やグローバルな視点を持つ人財を育成します。
  5. ダイバーシティの推進
    クミアイ化学グループは、多様な人財が、その個々の価値観や能力を最大限に活かせるダイバーシティ&インクルージョンの実現を目指します。

ダイバーシティ&インクルージョンの推進

当社では、「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の推進」をマテリアリティとして位置付け、「誰もが働きやすい・活躍できる会社の実現」と「女性活躍の推進」に向けた取り組みを進めています。
「誰もが働きやすい・活躍できる会社の実現」については、社員の生の声を反映させるべく、D&I研修、D&Iサーベイ、ワーキンググループ(WG)の組成・検討という施策を組み合わせてD&I推進計画の策定を進めています。2024年度に実施したWG活動では、メンバーを全社的に公募し、D&I推進に意欲のある多様な社員の参加を促しました。推進テーマを整理し、優先度の高い6項目(①研修の実施、定期的な情報発信、②管理職の研修実施、③ハラスメント改善施策の策定、周知方法の確定、④マイノリティが安心して意見できる環境の提供やコミュニケーションの活性化、⑤役職員が産休・育休・介護制度等を活用しやすい環境を提供、⑥女性管理職登用に向けた施策の策定)の取り組みを開始することとなりました。
「女性活躍の推進」については、管理職における女性管理職の割合8.2%(2030年度)の達成に向けて、採用・登用・育成の計画を策定していきます。具体的には、新卒採用における女性比率(2024年度34.8%)を今後とも維持しつつ、管理職候補者に対して個々の能力・意欲に即した育成計画を策定し、管理職登用に向けた成長を後押しします。

D&Iの目指す姿

役職員:誰もが働きやすく、全役職員が生き生きと幸せに働ける環境を整備します 製品・サービス:新たな農薬散布方法の開発等を通して、より多くの人が自社製品・サービスを安全・安心に活用できることを目指します 業界・コミュニティ:農業をけん引する企業としての誇りを持ち、農業業界におけるD&Iに貢献します

推進ロードマップ

【~2023年】①意識・風土:D&I推進の土台づくり ②多様な社員の活躍:両立支援制度・多様な働き方の整備 ③ジェンダー平等:女性活躍推進【2024-2026年】①意識・風土:D&Iの重要性の浸透、心理的安全性の確保 ②多様な社員の活躍:多様な働き方の拡充・推進 ③ジェンダー平等:女性のキャリア形成支援、女性管理職育成【2027-2029年】①意識・風土:多様性を尊重し活発に議論できる環境 ②多様な社員の活躍:多様なバックグラウンドを持つ社員の活躍 ③ジェンダー平等:社内ロールモデル確立によるさらなる活躍【2030年~】誰もが働きやすく、社員全員が生き生きと幸せに働ける環境 / インクルーシブな製品・サービスの開発 / 農業業界のD&Iへの貢献

新卒採用者に占める女性の割合

入社年度 2021 2022 2023 2024
男性(人) 22 11 9 15
女性(人) 12 5 3 8
合計(人) 34 16 12 23
女性の割合 35.3% 31.3% 25.0% 34.8%

年間採用者に占めるキャリア採用者の割合

入社年度 2021 2022 2023 2024
新卒採用(人) 34 16 12 23
キャリア採用(人) 8 6 22 17
採用合計(人) 42 22 34 40
キャリア採用の割合 19.0% 27.3% 64.7% 42.5%

ダイバーシティの推進に関するKPI

KPI 2023年度
実績
2024年度
実績
2026年度
目標
2030年度
目標
女性管理職(課長職以上)の割合 2.3% 2.2% 4.9% 8.2%
女性社員比率 17.3% 19.3% 19.0% 20.0%
男女賃金差異 全労働者 72.9% 71.4%
うち正規雇用労働者 80.1% 79.0%
うち非正規雇用労働者 82.9% 65.0%
  • 男女賃金差異理由 人事処遇制度において性別による差異はない。管理職を含む上位等級における男性比率が高いこと、就業時間に差があること(時間外労働時間は男性の方が長い一方、短時間勤務利用率は女性の方が高いこと)が男女の賃金格差の要因となっている。

取り組み

ダイバーシティ研修

当社では、2024年より外部講師を招聘し、全役職員が年に1度ダイバーシティ研修を実施しています。社会を取り巻く環境や経営環境が刻一刻と変わる現代におきまして、全役職員が適切に変化しつづけるとともに多種多様な人財が求められます。

研修では、当社のダイバーシティ&インクルージョン推進のスローガンである「誰もが働きやすく、社員全員が活き活きと幸せに働ける環境を整備します」を掲げて、ダイバーシティ&インクルージョンの最新動向や当社の現状に関する情報提供にとどまらず、役職員一人ひとりの考えるダイバーシティについても議論しました。
また、育児・介護/高年齢労働者/LGBTQ/障がい者/外国人など多様な方々に関する基礎知識や、ハラスメントの防止などの必要性、意識や支援を学ぶためのeラーニングを全役職員が受講しており、ダイバーシティ&インクルージョンの理解を深めています。

今後もダイバーシティ&インクルージョンの推進を目的とした様々な取り組みを実施し、全従業員の心理的安全性を高め、個々のパフォーマンスが最大限に発揮できる職場づくりを目指します。

ダイバーシティ研修の様子①
ダイバーシティ研修の様子②

女性向けキャリア座談会

女性のキャリアにおける心理的障壁や不安を払拭し、自律的なキャリア形成を支援することを目的として、女性役員1名と若手女性従業員10名でキャリア座談会を実施しました。
当社の社外取締役である山梨氏がスピーカーとなり、これまで歩んできたキャリアや、経験してきた悩みや迷い、その乗り越え方について学ぶ貴重な機会になりました。女性がキャリアアップしていくうえでの疑問や不安について意見交換し、交流を深めました。

座談会の様子

生理研修

女性が安心して働きやすい職場づくりを目的に、日用品大手「ユニ・チャーム株式会社」が展開する「ソフィみんなの生理研修」を実施しました。
本研修は「多様な考えや価値観を持った人が一堂に会し、意見交換を行うことが理解を深める」という考えのもと、管理職をはじめ、女性従業員、契約従業員・パート従業員も参加できる形とし、30名(うち男性15名)での実施となりました。

生理研修の様子①
生理研修の様子②

本研修では講義やグループディスカッションのみならず、実際にナプキンやタンポン等の生理用品を見て、そして触ることで、「生理はタブーであり、男性は触れてはいけないもの」「生理は恥ずかしい」といった考えを減らし、全員が当事者意識を持って真剣に意見交換をする様子が伺えました。

研修後アンケート(参加者からの声を一部抜粋)

研修の様子③
  • 生理について、共に働く仲間の理解が大切と感じた。(30代 男性)
  • 女性によって生理を察して欲しい人、そっとして欲しい人、がいると思うが、感受性を高く持って心理的安全な環境づくりが出来たら良いと思った。(40代 男性)
  • (生理休暇等の)制度が充実しても使えない状況では意味が無いので、言いやすい環境づくり、上司と部下との関係構築が大切だと思った。(20代 女性)
  • 男性を含めてさまざまな意見が聞けて良かった。相互理解が必要だと改めて実感した。(40代 女性)
  • 意見交換を通じて、自分が思っているほど、男性との壁はなく、話しにくさや恥ずかしさは薄れていった。(50代 女性)

両立支援制度利用者の経験談インタビュー

2022年10月からスタートした「産後パパ育休制度」や2025年施行の「育児介護休業法」の改正など、パパママ社員の働き方をサポートする環境も変化しています。当社では、女性はもちろん、男性の育児休業取得も増えており、様々な部署の社員が制度を活用しています。今回は育児休業から復帰した2名の社員のインタビューをお届けします(2025年8月実施)。

インタビュー①
Nさん(経営企画部グループ事業統括課)

2016年に入社。経営管理本部でグループ事業統括を担当。社内結婚ののち、2020年に第一子、2024年に第二子を出産し、現在も同部署で活躍中。

インタビュー中のNさん

産休・育休取得にあたり、上司の方への相談はどのようなタイミングで行いましたか?

心拍が確認できて、母子手帳をもらったタイミングで上司に相談しました。当社には、妊娠・出産等で休暇を取ることに対して、厳しい目を向ける社員はいないので、安心して相談できました。

育休中の会社とのコミュニケーションや、復帰に向けた準備はどのように行っていましたか?

上司以外の社員の方含め、プライベートで月に1回程度連絡をとっていました。
復帰後は時短勤務になるため、子供のお世話をしながら仕事をするという時間の面や、お金の面で不安がありました。
そんな中で、育休取得経験のある先輩(当時の上司の同期)に上司につないでもらい、相談できたのはとても助かりました。時短勤務中の給与の取り扱いや働き方に関して、詳しい話をお聞きしながら相談することができました。
復職前のフォローアップについては、上司や人事部とのすり合わせの機会などがもっとあってもよいと思います。

復帰後の働き方について、工夫していることや苦労したことはありますか?

復帰後は、思ったよりバタバタせず、在宅勤務と時差出勤を有効活用して働いています。在宅勤務のタイミングを夫婦でずらすなど工夫しながら、保育園のお迎えなども夫婦で協力して進めています。
上司からは「無理しないでいいよ」と、配慮を口に出していただいたのがありがたく、無理なく普通に働くことができました。自分がどのような働き方をしたいのか、どのようなサポートが必要か、といったことを、周りの人に自分からしっかり伝えることがとても大事だと思います。

今後、制度の利用を考えている方へのメッセージをお願いします。

育休取得することに嫌な顔をする人はいないので、安心してしっかり休んで、子供との時間を大切にしてほしいです。
そのうえで、職場では自分のやりたいことや働き方に関する考えを理解してもらえるように、周りにしっかりと説明することが重要だと思います。

インタビュー②
Gさん(国内営業本部東京支店販売課)

2014年に新卒で入社。入社以降、一貫して農薬の国内営業で活躍しています。
2023年06月に双子が誕生。2023年07月末~2023年10月末日の約3か月、育児休業を取得しました。

インタビュー中のGさん

育休取得までの流れと、当時のお仕事について教えてください。

2023年7末から3か月程度育休を取得しました。当時は、中四国支店松山営業所の所属で、香川県を1人で担当していました。
育休取得の希望は、妊娠の報告と同時に、育休開始の約半年前に伝えました。香川県に異動になってから1年未満で周りに頼れる存在がいなかったこと、そして双子だったこともあり、育休の取得を決断しました。社内報で「育休取得者の声」という記事を見たことも、決断の後押しになりました。
育休は、生後約1カ月後から3カ月間取得しました。里帰り出産で出産時は妻の家族がサポートしてくれていたため、妻と子が香川に戻ってくるタイミングで育休を開始しました。

育休取得を相談した際の上司の反応や、周囲のフォローはいかがでしたか?

支店長に相談した際、育休取得への反対などはされませんでしたが、お金の面では注意するように言われました(笑)
私の育休中、担当業務は所長に加え、同じ営業所内に私の担当県(香川県)を担当した経験がある社員がおり、業務をカバーしてくれました。一人担当の県での育休取得という状況でしたが、前もって引き継ぎもしてもらい、フォローしてもらえてとてもありがたかったです。

お客様からはどんな反応がありましたか?

お客様にも、育休取得の1カ月前ぐらいから伝えていました。反応は様々でしたが、育休取得に対してネガティブなことを言われるということはありませんでした。

職場復帰の準備や復帰後の働き方について教えてください。

復帰後すぐにお客様との面談の予定があったので、それに向けて上司とすり合わせをしていきました。個人的には、定期的に会社とのコミュニケーションがあるのは気分転換になって良かったです。
復帰後は、業務柄時間は自分でコントロールできるので、なるべく早く帰って家事をできるようにしています。

今後、制度の利用を考えている方へのメッセージをお願いします。

育休を取得したことによって、育児に集中できる時間が取れたことはとても良かったです。育児の大変さも実感することができました。長い短いに関わらず、育児に集中して向き合う時間を持つことは、子どもやパートナーと良い関係を築いていく上でも重要だと思います。子供が成長するほど大変なので、より長期間取得したかった気持ちもありますが、仕事を長期間離れることの難しさもあると感じています。
仕事の面では、育休取得までの間に引き継ぎ期間を長くとれたことが良かったので、早めに、計画的に相談することが重要だと思います。
香川に異動してから1年程度のうちに育休を取得させていただき、かつカバーしてくれた方々には本当に感謝しています!