コーポレートガバナンス
コーポレートガバナンスに関する基本方針
第1章 総則
- 目的
本基本方針は、クミアイ化学グループの企業経営と企業統治に関する基本的な枠組みおよび運営方針を定め、当社グループの企業価値の最大化に資することを目的とする。 -
企業理念
<クミアイ化学グループ企業基本理念>
私たちは創造する科学を通じて「いのちと自然を守り育てる」ことをメインテーマとし、安全・安心で豊かな社会の実現に貢献します。<行動指針>
- 社会への奉仕
- 創意工夫
- 積極にして果敢
- 理解と信頼
第2章 株主との関係
- 株主総会
(1)株主総会が会社の最高意思決定機関であることを認識し、株主総会における株主の実質的な平等性と適切な行使の機会を確保する。
(2)当社は、どの株主もその持分に応じて平等に扱い、株主間で情報格差が生じないように適時適切な情報開示を行う。
(3)株主が株主総会議案の十分な検討期間を確保し、適切に議決権を行使することができるように、定時株主総会の招集通知を法定期日より早く発送するとともに、発送前に当社ウェブサイトに開示する。
(4)機関投資家および海外投資家の議決権の電子行使を可能とするため、議決権電子行使プラットフォームに参加する。加えて、海外投資家の議決権行使の利便性向上のために、招集通知の英訳を行い、当社ウェブサイトに開示する。
(5)株主総会において可決に至ったものの相当数の反対票が投じられた場合は、原因の分析を行った上で取締役会に報告し、株主との対話が必要であれば、その対応を検討する。 - 資本施策の方針
(1)当社は、中長期的な企業価値向上に資するために、機動的な成長投資と事業活動に伴うリスクを許容できる株主資本の水準を維持する。また、環境変化に左右されず安定的に資金調達ができる堅固な財務基盤の構築を図る。
(2)株主還元については、各期の連結業績、配当性向、手元資金の状況、内部保留、今後の投資計画等を総合的に勘案した上で、安定した配当を継続的に行う。 - 政策保有株式に関する方針
(1)当社は、政策保有株式の段階的な縮減を基本方針とする。個別銘柄毎に保有の合理性を精査し、保有の適否を毎年取締役会で検証する。
(2)保有意義については、当社事業におけるシナジー効果及び配当金・関連取引収益などリターンとリスクを踏まえた中長期的な経済合理性に加えて、投資先との取引関係の維持・強化や共同事業の推進等、保有目的に沿っているかについても確認する。上記検証により、合理性が認められる銘柄については保有を継続し、合理性が認められない銘柄については売却を検討する。
(3)議決権の行使については、次のスクリーニング基準を設け、該当した銘柄については、議案内容を精査の上、賛否を決定する。
(スクリーニング基準)
① 株価の大幅な下落
② 業績の著しい悪化
③ 法令違反や反社会的行為
- 買収防衛策に関する方針
当社は、買収防衛策を導入していないので、当社の株式が公開買付に付された場合は、公開買付者に対し当社グル-プの企業価値向上施策について説明を求めるとともに、取締役会としての考え方を速やかに開示する。 - 関連当事者間の取引に関する方針
当社と取締役との間の利益相反取引および競業取引については、会社法および取締役会規程に基づき、取締役会に諮る。 - 株主との対話
当社では、株主との建設的な対話を促進するために、IR担当役員を中心としたIR体制を整備し、大株主・投資家からの取材にも積極的に応じる。具体的には、決算説明会、スモールミーティング、事業所見学会、個別IR面談、株主通信の発行、第三者機関による企業レポートなどを通じて、株主・投資家への発信に努める。
第3章 ステークホルダーとの協働
- ステークホルダーとの協働
当社は、株主、お客様、お取引先、債権者、地域社会、従業員をステークホルダーと認識し、ステークホルダーとの適切な協働に努め、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の創出を図る。 - サステナビリティ
100年企業を目指すための長期的な視野に立った中期経営計画のもと、事業(商品・サービス)を通じてステークホルダーとの絆をさらに強め、新しい価値を共に作ることで、社会課題の解決を目指しながら、サステナビリティ基本方針に基づき、「持続的な社会の実現」に向け、サステナビリティ経営に資する取組みを進める。 - ダイバーシティの推進
当社グループは、人財マネジメントに関する基本方針に基づき、多様な人財を活かす施策を推進する。 - 内部通報制度
当社グループは、内部通報制度としてコーポレートガバナンス統括室ライン、クミアイ化学グループ社外相談窓口を構築し、「内部通報制度細則」に基づき、適正に運用する。
第4章 情報開示
- 情報開示の考え方
当社グループは、情報開示の充実が株主・投資家との建設的な対話の前提となることを認識し、東京証券取引所の定める適時開示規則を遵守したディスクロージャーを行うとともに、経営基盤や事業戦略に関する計画その他適時開示規則に該当しない情報についても、株主や投資家の立場から当社グループの状況を理解するために有効と考えられる情報を、積極的かつ公平に当社ホームページ等において開示する。 - 内部統制に関わる基本方針の開示
取締役会は、業務の適正を確保するための体制(内部統制システム)に関する基本方針、財務報告に係る内部統制の基本方針を決議し、適時適切に開示する。
第5章 コーポレートガバナンス体制
- ガバナンス体制
(1)当社は、監査役設置会社を採用し、ステークホルダーにとって透明性の高いガバナンス体制を維持・向上させるために、1/3以上の独立社外取締役を含む取締役会が、半数 以上の社外監査役を含む監査役会と緊密に連携し、監査役の機能を有効に活用しながら、経営方針の決定、経営上の重要な決定を行うとともに、業務執行に対する監督機能の強化を図る。
(2)当社は、経営機能と業務執行の責任区分を明確にし、業務執行機能の充実と意思決定の迅速性を高める観点から、執行役員制度を採用している。
(3)公正なグループ経営を推進するために、「関係会社管理規程」とそれに呼応した各社の「親会社への協力体制規程」に基づき、互いに連携をとりながら連結経営を進める。併せて、「クミアイ化学グループ経営トップ戦略会議」を通じて、基本理念の浸透と、経営戦略や経営方針の共有と経営状況の把握を行い、当社グループ全体の価値最大化を目指したガバナンスを展開する。 - 取締役・取締役会
(1)取締役会は、株主の委託を受けた機関として、会社法および取締役会規程に基づき、会社及び株主共同の利益確保の観点も加えた総合的な判断をもって意思決定を行う。
(2)取締役会の実効性評価を毎年1回実施し、分析・評価結果を更なる取締役会の機能向上につなげている。
(3)取締役会は、企業理念、経営ビジョンや企業文化を理解し、当社取締役としての人格、見識、能力を有する多様な人材で構成するとともに、透明性の高いガバナンンス体制を構築し、客観的な経営の監督の実効性を確保するため、独立社外取締役を1/3以上選任する。 - 監査役・監査役会
(1)監査役は、株主の負託を受けた独立の機関として、当社グループの健全で持続的な成長を確保し、社会的信頼に応える良質な企業統治を確保するため、能動的・積極的にその権限を行使し、取締役会において、あるいは経営陣に対して適切に意見を述べるとともに、取締役の職務の執行を監督する責務を負う。
(2)監査役会は、監査役監査基準に従い、会計監査の適正性および信頼性を確保するため、会計監査人が公正不偏の態度および独立の立場を保持し、職業的専門家として適切な監査を実施しているかを監査する。
(3)監査役は、会計監査人から取締役の職務の執行に関して不正の行為または法令もしくは定款に違反する重大な事実がある旨の報告等を受けた場合、監査役会において審議の上、必要な調査を行い、取締役に対して助言または勧告を行うなど、必要な措置を講じる。
(4)監査役は、内部監査室と緊密な連携を保ち、組織的かつ効率的な監査を実施するように努める。 - 指名・報酬委員会の設置
(1)当社は、当社の経営の客観性と透明性を担保するため、取締役の指名ならびに取締役の報酬等に係る議案については、取締役社長が指名・報酬委員会(取締役社長、取締役会の決議により選定される常勤の取締役1名および独立社外取締役3名全員の計5名で構成)に諮問し、その助言・提言を受けて、取締役会で審議の上決定する。
(2)取締役社長の後継者計画(プランニング)については、人格、見識、能力を十分に考慮し、さらに企業価値向上に向け経営におけるリーダーシップを発揮する人財の育成に対し、指名・報酬委員会の助言・提言を受けて、取締役会で社長の後継者となるべき候補者を決定する。 - 会計監査人
(1)取締役会および監査役会は、会計監査人が当社グループの財務報告の信頼性確保に関して重要な役割を担うことを認識し、取締役会、監査役会、内部監査室との連携を通じて、独立性と専門性をもった十分かつ適正な会計監査人監査が行われるように適切な対応を行う。
(2)会計監査人から税務報告に関する不備等の指摘を受けた場合は、財務担当役員が責任を持って対応に当たる。 - 社外取締役・監査役に対する支援体制
(1)取締役会での活発かつ建設的な議論を図るべく、経営管理本部に事務局を設置し、以下の運営をする。
①毎年の審議事項を踏まえ、取締役会開催スケジュールおよび予想される審議事項を前年度末までに確定する。
②取締役会資料は、十分な検討ができるタイミングにて事前配布する。
③当日の審議時間は、十分な審議ができる適切な審議時間を設定する。
④事務局は、社外を含む取締役および監査役に必要な情報を随時提供するとともに、必要に応じて事前説明を行う。
(2)監査役の監査機能強化を図るために、監査役スタッフが監査役の業務サポートを行う。
(3)取締役および監査役の職務の執行において、内部監査室やその他の執行機関は、必要な情報提供を求められた場合に積極的に対応する。 - 取締役および監査役の研鑽に関する方針(トレーニング方針)
当社は、取締役および監査役の業務を行うに当って必要な基本知識を学ぶための外部トレーニングの機会を提供するとともに、取締役および監査役としての役割や責務についての理解を深めるための支援をし、取締役および監査役の研鑽がなされる体制を構築する。
第6章 制定・改正・廃止
本基本方針の制定・改正・廃止は、執行役員会の決議による。
コーポレートガバナンス体制
当社は企業統治の体制として、監査役会設置会社を採用しております。当社は、「取締役会」、「経営会議」および「執行役員会」を設置しており、それぞれの決定や協議に基づき企業統治を行う体制を採っております。「取締役会」の役割を経営方針の決定および業務執行の監督に集中させることにより、経営機能と業務執行の責任区分を明確にし、業務執行機能の拡充と意思決定の迅速性を高めるよう運営されております。当社は、常勤監査役(社外監査役・独立役員)が「取締役会」、「経営会議」および「執行役員会」に加えて社内のその他重要会議に出席し、業務執行に対する監査機能強化を図っており、また、「取締役会」、「経営会議」および「執行役員会」は、社内の規程により各々の意思決定の基準を定めてその範囲で運営され、その決定に基づき業務執行がなされているなど、経営チェック機能を十分発揮している体制であると判断しております。
取締役会
取締役会は、代表取締役社長を議長とし、取締役9名(内3名が社外取締役)で構成され、原則月1回開催し、経営方針の決定、経営上の重要な決定および業務執行の監督を行っております。取締役会には、経営のチェック機能を強化する観点から監査役4名も出席し、必要に応じて意見陳述を行っております。
また、取締役の指名ならびに取締役の報酬等に係る取締役会の機能の独立性、客観性および説明責任を強化するため、取締役会の下に指名・報酬委員会を置いております。
経営会議
経営会議は、代表取締役社長を議長とし、常勤の取締役6名および役付執行役員3名で構成され、必要の都度開催し、重要な経営戦略および業務執行に関して協議を行っております。また、常勤監査役も出席しております。
執行役員会
執行役員会は、代表取締役社長を議長とし、常勤の取締役6名および執行役員10名で構成され、原則月2回開催し、業務執行の意思決定を行っております。また、常勤監査役も出席しております。
監査役会
監査役会は、常勤監査役を議長とし、監査役4名で構成され、監査役会が定めた監査方針および監査計画に基づき、独立した立場から取締役の職務執行の監査を行っております。
その他
コーポレートガバナンス体制を担う「予算委員会」、「サステナビリティ推進委員会」、「リスク・コンプライアンス委員会」、「レスポンシブル・ケア推進委員会」を年1回以上および必要な都度開催するとともに、「クミアイ化学グループ経営トップ戦略会議」を年2回開催しております。いずれにつきましても、常勤監査役が出席しております。また、内部監査室が独立的な立場から、法令の遵守状況および業務活動の効率性等について内部監査を実施し、業務改善に向けた具体的な助言等を行っております。
役員紹介
スキルマトリックス
企業経営 | ESG サステナビリティ |
法務 コンプライアンス リスク管理 |
財務戦略 資本戦略 |
グローバル | 技術・研究 | |
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取締役 | ||||||
高木 誠 | ● | ● | ● | |||
打土井 利春 | ● | ● | 〇 | |||
吉村 巧 | ● | ● | 〇 | |||
大川 哲生 | 〇 | ● | ● | |||
井川 照彦 | 〇 | ● | ● | |||
横山 優 | 〇 | ● | ● | |||
西尾 忠久 | ● | 〇 | ● | |||
池田 寛二 | ● | ● | 〇 | |||
山梨 智里 | 〇 | ● | ● | |||
監査役 | ||||||
種田 宏平 | 〇 | ● | ● | |||
山田 正和 | ● | 〇 | ● | |||
助川 龍二 | ● | ● | 〇 | |||
白鳥 三和子 | ● | 〇 | ● |
取締役会の実効性評価
当社は取締役会の実効性評価に関し、毎年1回、実効性の分析・評価を実施し、さらなる取締役会の機能向上を図っております。
2022年10月期については、外部コンサルタントの監修を受けたアンケートを全ての取締役および監査役を対象に実施し、その結果について取締役会において議論を行い、取締役会全体の実効性に関する分析および評価を行いました。その結果、当社の取締役会は適切に運営され、実効性は確保されていることを確認いたしました。取締役会の運営については、一部改善の必要な事項もあるとの認識に至り、引き続き改善に向けた取り組みを進めてまいります。
評価プロセス
全ての取締役、監査役を対象とし、5段階評価および記述式を組み合わせたアンケート形式で評価を行っています。アンケートの回答結果を基に2022年12月14日の取締役会にて、結果の検証および課題・対応策について議論を行いました。
アンケート項目
5つの大項目に分類し、計26問でアンケートを実施しました。
- 取締役の構成と運営
- 経営戦略と事業戦略
- 企業倫理とリスク管理
- 業績モニタリングと経営陣の評価・報酬
- 株主等との対話
評価
2022年度の実効性評価の結果、全体として当社の取締役会の実効性が確保できていることが確認できました。課題としては、女性取締役の起用や国際性など取締役の構成の多様化が挙げられました。また、取締役会の議論のための環境がより整備されたことや詳細で具体的な報告が行われるようになったことで、特に社外取締役にとってきめ細かく社内情報を共有できていることが確認できました。率直かつ忌憚のない意見交換をすることで深い議論に繋げ、取締役会の実効性のさらなる向上に努めていきます。
役員報酬
当社の取締役の報酬は、当社の企業価値の持続的な向上を図るインセンティブとして十分に機能するような報酬体系とし、個々の取締役の報酬の決定に際しては各職責を踏まえた適正な水準とすることを基本としています。取締役の報酬は、金銭報酬と非金銭報酬(譲渡制限付株式報酬)で構成されています。なお、譲渡制限付株式報酬の支給対象は社外取締役を除いた取締役としております。
取締役の金銭報酬は、各取締役の役位、責任の大きさ、経営への貢献度および連結業績の状況を総合的に勘案して決定するものとしております。
取締役(社外取締役を除く)の譲渡制限付株式報酬は、金銭報酬の一定以上の割合としております。譲渡制限付株式報酬の金額は、定時株主総会で承認された譲渡制限付株式報酬の限度額の範囲内としております。
取締役の報酬の金額および金銭報酬と譲渡制限付株式報酬の割合は、経済環境、市場環境、業績等を総合的に勘案し、あらかじめ株主総会で承認された枠内において、取締役会の諮問機関であり、社外取締役が過半数を占める指名・報酬委員会での審議および答申を経て、取締役会より委任された代表取締役が決定しております。