研究開発

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化学研究所 創薬研究センター 植物制御剤研究室
R.F / 2021年入社

現在の仕事内容

学部から修士課程(創薬科学専攻)時代には、光環化反応の開発を行っていました。光反応のグリーンケミストリーな部分から、有機化学を通して環境問題、食料問題の解決に貢献できないかと考え、クミアイ化学に入社しました。現在は創薬研究センター植物制御剤研究室に所属しており、除草剤として優れた効果を持つ化合物をデザインし、合成する探索合成研究に携わっています。 合成、生物評価、検討のサイクルで新規リード化合物創製を目指して研究を行ってきました。リード化合物に出会うまでも大変ですが、出会えた後も化合物が十分に効果を発揮するためには、活性と物理化学性に着目しながら様々な部分構造の最適化が必要となります。このような試行錯誤を重ねて大成する農薬の探索合成に魅力とやりがいを感じています。

  • 8:30始業/反応仕込み

    電子実験ノートを使って試薬量などを計算し、反応を仕込みます。朝一で反応を仕込んで、反応が完結するまでの間に他の作業をすることが多く、その合間で反応のモニタリングをします。

  • 9:30ディスカッション

    植物制御剤研究室の同じテーマを扱っているメンバーで合成状況の進捗、生物活性評価の結果を受けて今後の展望を話し合います。

  • 10:00粗生成物の精製

    前日に後処理を行った反応の粗生成物を精製します。精製は主に自動分取精製装置を用いて行います。

  • 11:00化合物の解析

    精製を終えた化合物はNMRを使って構造の解析を行います。オートサンプラーが学生の時はなかったので、こんなに便利なのかと感動しています。

  • 12:00昼食

    食後には、先輩方や同期と散歩をしたり談笑して過ごしています。他にはパターゴルフをしている人、YouTubeを見ている人、仮眠をとっている人など皆さん自由に過ごしています。

  • 13:00反応のモニタリング

    反応時間がある程度経過したら、モニタリングを行います。モニタリングには主にTLC、GC、GC-MSを用います。反応が完結していたら後処理を行い、完結していなかった場合、その進行具合によっては加温、試薬の追加などを検討します。

  • 13:30反応の後処理

    今回は反応が完結していたので、引き続き後処理、精製を行いました。

  • 16:00デスクワーク

    電子実験ノートへの記入、翌日にかける反応条件の調査、月例報告会などの資料作りを行います。

  • 17:10終業

    実験やデスクワークが終わらなければ、残りを片付けます。残業は日によって各自必要な時にするといった雰囲気です。

  • 19:00帰宅

    夕食をとった後は、お気に入りの緑茶ハイを飲みながら、最近はM-1のネタ動画をひたすら見て過ごしています。

  • クミアイ化学の好きなところ

    尊敬できる先輩方に囲まれて、モチベーションを高く持ち研究に励むことができるところです。知識豊富なベテラン研究員が身近にいて、なにを聞いても丁寧に教えてくれます。

  • クミアイ化学のこんなところに困っています

    NMR装置が実験をしているエリアから遠いことです。2023年に稼働を開始した化学研究所では、3つの研究センターがひとつになったことで共同で使う測定機器が1階にあります。私たちが実験をしているエリアは4階にあるので、NMR測定のために1階まで降りなくてはいけません。しかし、近々4階に卓上NMRが導入されるということで、さらなる実験設備の充実に期待しています。

  • クミアイ化学に入るまでのバックグラウンド

    愛媛県に住む祖父が農家をしていて、小さい頃から祖父が農薬に助けられる姿を見てきました。小学生の時から理科が好きで、中学生の時には創薬の研究開発をすることに憧れていました。大学では薬学を学び、有機合成の研究室に所属したことをきっかけに農薬の道へ進みました。