研究開発

H.Aの写真

化学研究所 創薬研究センター 害虫防除剤研究室
H.A / 2020年入社

現在の仕事内容

大学院修士課程を修了後、2020年にクミアイ化学に入社しました。1年目から害虫防除剤研究室に配属され、新剤の探索に関わる中で、先輩方の合成力に圧倒されながらも日々合成の腕を磨いています。合成した化合物が薬剤として認められるためには、活性、毒性などクリアしなければならない課題が多くあり、途方に暮れることもあります。そこで、先輩方や生物系の担当者とディスカッションを交え、化学構造と生物活性との相関を読み取ることで、構造の最適化を目指しています。自分のアイデアが活性の向上に結びついたときは、大きなやりがいを感じられます。

  • 8:30始業

    メールのチェックとその日に行う実験計画の確認を行ったのち、実験を仕込み始めます。有機合成の実験では、反応が完結するまでに時間がかかることが多いため、仕込みは朝一で取り掛かり、その後前日仕込んだ反応の処理などを行います。

  • 9:00粗生成物の精製

    前日に仕込んだ反応を処理し、精製を行います。分液、濃縮からカラムまではスムーズに行います。また、化合物の精製は主にオープンカラムを用います。処理する数により、自動精製装置を用いるなど、効率のよい作業を目指します。

  • 10:30化合物の解析

    精製した化合物について、NMRやGCMSなどの分析機器を用いて解析を行います。

  • 11:00デスクワーク

    実験の合間に報告会の資料作成や情報収集などのデスクワークを行います。

  • 12:00昼食

    社内で注文しているお弁当を食べています。1食390円と非常に安く、家計も大助かりです。昼休みは、午後に備えて仮眠をとります。

  • 13:00反応の後処理

    朝仕込んだ反応を確認し、完結していれば後処理を行います。確認は主にTLC、GC、GCMSを用います。この日は反応が完結していたので、後処理、精製まで行いました。

  • 15:00次の日に向けて反応の仕込み

    終夜反応に向けて、実験を仕込んでいきます。安全性を第一に考えて、室温でできる反応のみを行っています。

  • 16:00デスクワーク

    本日行った実験の片づけや電子実験ノートの整理を行います。また、次の日に仕込む反応のために、反応条件の調査を行い、実験計画を立てていきます。学生時代から朝が苦手だったため、出社してすぐに動けるようにしっかり準備します。

  • 17:10終業

    実験やデスクワークが残っている場合は継続して行います。

  • 18:30帰宅後

    先輩とともに海へ釣りに出かけています。会社に入るまでは素人でしたが、釣りを趣味にされている先輩も多く、研究所から砂浜まで近いこともあり、気軽に釣りを始めることができました。今では毎週海に通っています。

  • クミアイ化学の好きなところ

    実験室に一人一台ずつドラフト、実験台、エバポレーターなどがあるところです。大学時代はこれらを共用で使っており、トラブルが絶えませんでした。あの頃と比べると、時間管理が容易になり自分のペースで実験ができるため、効率が上がってとても快適です。

  • クミアイ化学のこんなところに困っています

    移転前の研究所があった磐田市と比べて、バスや電車などの交通の便は良くなりました。その反面、新研究所が大通りに面しており、朝は道が非常に混んでいるため、通勤時は大変です。これまで以上に余裕を持った行動が大切です。

  • クミアイ化学に入るまでのバックグラウンド

    食べることが好きで学生時代は県下のラーメン店を踏破する日々を送っていました。一方で大学院では有機合成化学を専攻し、o-キノジメタンを用いた合成研究に関わる中で、化合物を合成する楽しみを肌で感じていました。専門とする有機化学で、大好きな食に貢献できないかと考えたとき、たどり着いた答えが農薬業界でした。