【園芸/殺菌剤】
プロポーズ顆粒水和剤
ベンチアバリカルブイソプロピル・TPN水和剤
SDS(安全データシート)
公益財団法人日本中毒情報センターへの問い合わせ方法は「一般市民向け受信相談について」をご参照ください。
登録番号 | 第21954号 [クミアイ化学工業㈱ 登録] |
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成分 | ベンチアバリカルブイソプロピル 5.0% TPN 50.0% |
性状 | 淡褐色水和性細粒 |
毒性 | 普通物(毒劇物に該当しないものを指していう通称) |
危険物 | 非該当 |
販売地域 | 全国(1kg規格は北海道限定) |
有効年限 | 5年 |
包装 | 100g×10袋×6箱、500g×20袋、1kg×10袋 |
作用機構分類番号 (RACコード) |
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- チラシ・技術資料関連
- その他関連情報
特長
- 二つあわせて優れた効果
べと病・疫病に対し予防効果・治療効果の高い有効成分ベンチアバリカルブイソプロピルと、幅広い病害に予防効果の高いTPNとの混合剤です。感染前から感染初期の散布でべと病・疫病の確実な防除ができます。
- タフな殺菌剤
葉内への浸達性に優れ、長い残効性や高い耐雨性を有し、安定した防除効果が期待できます。また、既存剤に抵抗性を示す各種耐性菌にも優れた効果を発揮します。
- 使いやすい!
散布液調製時に粉立ちが少なく溶けやすい顆粒水和剤です。
適用病害と使用方法
作物名 | 適用病害名 | 希釈倍数 | 使用液量 | 使用時期 | 本剤の使用回数 | 使用方法 | ベンチアバリカルブイソプロピルを含む農薬の総使用回数 | TPNを含む農薬の総使用回数 |
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ばれいしょ | 疫病 夏疫病 | 750~1000倍 | 100~300L/10a | 収穫7日前まで | 5回以内 | 散布 | 5回以内 | 5回以内 |
250倍 | 25L/10a | |||||||
32倍 | 3.2L/10a | 無人航空機による散布 | ||||||
16倍 | 1.6L/10a | |||||||
たまねぎ | 灰色かび病 白色疫病 べと病 | 1000倍 | 100~300L/10a | 3回以内 | 散布 | 3回以内 | 6回以内 | |
らっきょう | 白色疫病 | 収穫14日前まで | 3回以内 | |||||
ねぎ | 葉枯病 べと病 | 4回以内(但し、土壌灌注は1回以内、散布及び無人航空機散布は合計3回以内) | ||||||
べと病 | 16倍 | 1.6L/10a | 無人航空機による散布 | |||||
32倍 | 3.2L/10a | |||||||
だいず | 茎疫病 紫斑病 べと病 | 1000倍 | 100~300L/10a | 収穫21日前まで | 2回以内 | 散布 | 2回以内 | 2回以内 |
きゅうり | うどんこ病 褐斑病 黒星病 | 収穫前日まで | 3回以内 | 3回以内 | 14回以内(但し、土壌灌注は2回以内、散布、常温煙霧、くん煙及びエアゾル剤の噴射は合計12回以内) | |||
べと病 | 1000~1500倍 | |||||||
かぼちゃ | うどんこ病 疫病 べと病 | 1000倍 | 収穫7日前まで | 3回以内 | ||||
すいか | 褐色腐敗病 炭疽病 | 収穫3日前まで | 5回以内 | 5回以内 | 5回以内 | |||
メロン | つる枯病 べと病 | |||||||
トマト | 疫病 | 1000~1500倍 | 収穫前日まで | 3回以内 | 3回以内 | 6回以内(但し、土壌灌注は2回以内、散布、常温煙霧、くん煙及びエアゾル剤の噴射は合計4回以内) | ||
葉かび病 | 1000倍 | |||||||
ミニトマト | 疫病 | 1500倍 | 2回以内 | 2回以内 | ||||
なす | 褐色腐敗病 すすかび病 | 1000倍 | 4回以内 | 4回以内 | 4回以内 | |||
ブロッコリー | べと病 | 出蕾前(但し、収穫21日前まで) | 2回以内 | 3回以内 | 3回以内(但し、土壌灌注は1回以内、散布及び無人航空機散布は合計2回以内) | |||
キャベツ | 収穫14日前まで | 2回以内 | 3回以内(但し、は種又は定植前の土壌混和は1回以内、散布、無人航空機散布及びエアゾル剤の噴射は合計2回以内) | |||||
はくさい | 黒斑病 白さび病 白斑病 べと病 | 収穫7日前まで | 3回以内 | 3回以内(但し、は種又は定植前の土壌混和は1回以内、散布及び無人航空機散布は合計2回以内) | ||||
アスパラガス | 疫病 | 1500倍 | 収穫前日まで | 3回以内 | 4回以内 |
上手な使い方
- 長い残効と予防・治療効果を活かし、べと病や疫病の重点防除期での使用をお勧めします。
- 治療的散布でも卓効を示しますが、病気がまん延してからの散布では効果が劣りますので、初発病斑を見つけたら直ちに散布し、病気のまん延を防ぎましょう。
ベンチアバリカルブイソプロピルの特長
- 新しい作用を有する新規殺菌剤です。
クミアイ化学グループが開発したアミノ酸アミドカーバメート系の新規殺菌剤です。作用機構の詳細については検討中ですが、電子伝達系阻害などの呼吸阻害剤やRNA合成阻害剤とは作用が異なり、従来の薬剤耐性菌にも有効です。 - 各種のべと病、疫病に特異的に高い防除効果を発揮します。
疫病菌やべと病菌などの卵菌類に属する病原菌に対し、特異的に極めて低濃度で抗菌性を示し、野菜類や果樹類のべと病、疫病に高い防除効果を有しています。 - 予防効果、治療効果ともに優れます。
予防効果だけでなく、治療効果も兼ね備えていますので、感染後の散布でも防除効果が期待できます。又、感染初期段階での病斑拡大も阻止します。 - 遊走子のうの形成を阻害します。
遊走子のうの形成を阻止する効果も非常に高く、次世代の病原菌密度を低減する効果が期待できます。 - 残効性や耐雨性を有します。
既存の殺菌剤と同等以上の残効性や耐雨性を有し、安定した防除効果が期待できます。 - 浸達性を有します。
葉表から葉裏など葉内への浸達性を有しています。
多様な作用性
プロポーズ顆粒水和剤は疫病菌のライフサイクル(生活環)の多くのステージに作用し、感染から発病に至る全ての過程を阻害します。
その結果、予防効果と治療効果を発揮します。
疫病菌は、葉などの植物組織内に菌糸で侵入・増殖し、そして、病斑上に菌糸から伸びた胞子のう柄に遊走子のうを形成します。
遊走子のうが直接発芽し、菌糸を伸ばす直接発芽と、遊走子のうの中に遊走子が形成され、放出された遊走子が被のう化(遊走子が数時間泳いだ後、静止、鞭毛が脱落し球形になり細胞壁が形成される)し、被のう胞子が発芽し菌糸を伸ばす間接発芽があります。どうして直接発芽するか、間接発芽するかははっきりしていませんが、環境温度や菌糸内の糖濃度などが関連しているといわれています。
自然界では、遊走子のうや被のう胞子による無性繁殖がほとんどですが、極々稀に有性繁殖があります。被害葉や被害塊茎内の菌糸の一端に蔵精器が、他の一端に蔵卵器ができ、接合受精して卵胞子が形成されます。卵胞子は、発芽し先端に遊走子のうが形成されます。
注意事項
注意事項
- 散布量は、対象作物の生育段階、栽培形態及び散布方法に合わせて調節してください。
- 無人航空機で散布する場合は次の注意を守ってください。
- 散布は散布機種の散布基準に従って実施してください。
- 散布に当たっては散布機種に適合した散布装置を使用してください。
- 散布中、薬液が漏れないように機体の散布配管その他散布装置の十分な点検を行ってください。
- 散布薬液の飛散によって自動車の塗装などに被害を与えるおそれがある等、各分野に影響があるので、散布区域の諸物件に十分留意してください。
- 散布終了後、機体の散布装置は十分洗浄し、薬液タンクの洗浄廃液は安全な場所に処理してください。また使用後の空の容器は放置せず、安全な場所に廃棄してください。
- ねぎに使用する場合は、葉面に薬液による汚れが生じるおそれがあるので、収穫間際の散布では注意をしてください。
- 散布は散布機種の散布基準に従って実施してください。
- ばれいしょに対して希釈倍数250倍で散布する場合は、少量散布に適合したノズルを装着した乗用型の速度連動式地上液剤散布装置を使用してください。
- あんずに対して薬害を生じるおそれがあるので、付近にある場合はかからないように注意してください。
- 蚕に対して影響があるので、周辺の桑葉にはかからないようにしてください。
- 使用に当っては、使用量、使用時期、使用方法などを誤らないように注意し、特に初めて使用する場合は、病害虫防除所等関係機関の指導を受けることをお勧めします。
安全使用上の注意
- 粉末は眼に対して強い刺激性があるので、散布液調製時には保護メガネを着用して眼に入らないよう注意してください。眼に入った場合には直ちに十分に水洗し、眼科医の手当てを受けてください。
- 皮ふに対して刺激性があるので皮ふに付着しないよう注意してください。付着した場合には直ちに石けんでよく洗い落としてください。
- 散布の際は農薬用マスク、手袋、不浸透性防除衣などを着用するとともに保護クリームを使用してください。作業後は直ちに身体を洗い流し、うがいをするとともに衣服を交換してください。
- 作業時に着用していた衣服などは他のものとは分けて洗濯してください。
- かぶれやすい体質の人は作業に従事しないようにし、施用した作物等との接触をさけてください。
- 夏期高温時の使用をさけてください。
- 魚毒性等
- 水産動植物(魚類)に影響を及ぼすおそれがあるので、河川、養殖池などに飛散、流入しないよう注意して使用してください。
- 無人航空機による散布で使用する場合は、河川、養殖池等に飛散しないよう特に注意してください。
- 使用残りの薬液が生じないように調製をおこない、使いきってください。散布器具および容器の洗浄水は、河川などに流さないでください。また、空容器、空袋などは水産動植物に影響を与えないよう適切に処理してください。
- 水産動植物(魚類)に影響を及ぼすおそれがあるので、河川、養殖池などに飛散、流入しないよう注意して使用してください。
- 保管…密封し、直射日光をさけ、食品と区別して、冷涼・乾燥した場所に保管してください。