Vol. 18

SNSで農業の楽しさを発信する
農業タレントのチャレンジ

2025年12月11日

新潟県長岡市 当社イメージモデル/農業タレント 田中さきさん

「農業のイメージを自分の力で変えたい」
SNSから始まった発信

小学校低学年の頃から祖父の農作業を手伝っていたという、農業タレントの田中さきさん。

「大きくなったらじいちゃんの後を継いで農業に関わりたい」

そのような希望を胸に農業高校へ進学しましたが、学校での学びを生かしたいという気持ちや憧れの人物との出会いをきっかけに、卒業後約2年間パン屋で働き、その後は芸能事務所に所属しタレントとして活動していました。しかし、タレント活動をしている中である思いが強まったといいます。

「原点である農業を、多くの人に楽しいと感じてもらいたい」

SNSでの発信をスタートしたところ、ピンクのつなぎを着て楽しそうに農作業をする投稿が話題となるなど、農業のポジティブなイメージを全国へと広げています。

笑顔の田中さきさん
田んぼの前でポーズをとる田中さきさん

当事者としての現場を知るイメージモデル

農業タレントとして、当社のイメージモデルも務める田中さん。初めて当社の豆つぶ剤を使ったとき、その使いやすさに驚いたといいます。

「普通の粒剤は撒きムラができやすいのですが、豆つぶ剤は水面で拡散して田んぼ全体に広がります。初心者でも扱いやすく、撒くのがどんどん楽しくなるんです。鯉にエサをあげるような感覚でした」

当社が出展している展示会やイベントにも参加し、“農家目線”と“メーカー目線”の両方から製品の魅力を伝えています。

「『この草が困るんだよね』と話しかけてくださる農家さんには自然と共感します。『この時期ならこの剤がいいですよ』とアドバイスすると、しっかり伝わるのを感じます」

JA全農主催イベント アグリサミットのポスター
ファーマーズキッズフェスタにて 子供たちに手を振る田中さきさん

「大事な作物を守るための農薬」という選択肢

田中さんが強い思いを持っているのが、農薬に対する誤解をなくすことです。

「“農薬=人体に悪いもの”というイメージを持たれる方も少なくありません。農薬は作物の健康を守り、安定した収穫量と品質を維持するために必要なもの、という認識がもっと広まってくれたらと思っています」

また、農薬の必要性についての具体例も上げてくださいました。

「近年は“オーガニック”という言葉が声高に語られますが、現場では現実的な課題も抱えています。私が育てている魚沼産コシヒカリは、天候や病害虫の影響を受けやすい繊細な作物です。たとえばカメムシの被害が出ると、お米に黒い斑点がついてしまって商品にならなくなるんです。それまでの努力が一瞬で水の泡になることもあるので、農薬がどういった理由で使われているかを正しく理解してもらえたらと思います」

そのための啓発活動も頑張りたいというのも、現在の希望・課題であるそうです。

稲穂の写真
ベッカク豆つぶ250の写真
田中さんの田んぼで実際に使用していただいている当社製品

“伝えられる農家”になるための取り組み

当社のイメージモデルとして活動する中で、田中さんは農薬開発の裏側を知り、さらに強い関心を抱いたといいます。

「一般的に1つの商品(有効成分)を作るのに、開発期間として10年以上、費用にして300億円以上かかると聞いて本当に驚きました。それだけの時間とコストをかけて安全性を確保しているのに、『よく分からないから怖い』で終わらせてしまうのは残念です」

そうした思いから、地域のJAが配信するYouTube番組への出演など、活動の場を広げています。

「農薬について正しい知識が得られれば、もっと安心して食事を楽しめます。これからもしっかりとメッセージを発信していきたいです」

魚沼産こしひかりの米袋の写真
工場内の写真

米農家として、さまざまな角度から挑戦

現在、田中さんがお米を栽培している作付面積は約5ヘクタール。かつては10ヘクタールほど手がけていましたが、祖父の高齢化に伴い、作業負担を考慮して一時的に規模を縮小したそうです。

「いずれはまた10ヘクタールまで戻したいですし、それ以上に広げていきたいとも思っています。そして将来的には法人化をして、若い世代や女性が働きやすい農業環境をつくっていきたいです」

農業や農薬に対する正しいイメージづくりに、現場から取り組む田中さん。
明るく、真っ直ぐに語るその姿は、「人と技術が農業を守っている」ということを、私たちに気づかせてくれます。

田中さきさん