トップメッセージ

2021年度から2023年度にかけての前中期経営計画では、20~30年後の当社グループの「あるべき姿」を設定し、この実現に向けた事業戦略を策定しました。そして、この3年間を「事業領域拡大のための種まき」の時期と位置付け、M&Aをはじめ、新たな研究所の建設や工場の生産設備の増強などの積極的な設備投資等、さまざまな取り組みを実施し、掲げた具体的な目標を総じて達成できたと考えています。

加えて、サステナビリティ経営に向けた取り組みも本格的に開始しており、サステナビリティ基本方針を制定し、組織の整備など基盤強化を進めるとともに、従来のマテリアリティ(重要課題)を全面的に見直し、各マテリアリティに対するKPIを設定しました。

新中期経営計画は、当社グループが目指す「あるべき姿」を実現するため、前中期経営計画でまいた種を発芽させ、より具体的な形に育成し、今後の成長ステージに進めるための基盤強化・拡大の期間と位置付けており、ビジョンである「Create the Future ~できる。をひろげる~」には、この意味も込められています。当社では、「あるべき姿」の実現に向けて取り組むべきマテリアリティの中から7つの課題を選抜し、新中期経営計画の重要方針として設定しました。

新中期経営計画における数値目標を達成するとともに、重要方針を着実に実行し、100年企業としての当社グループのあるべき姿の実現に向け邁進してまいります。

当社では、これまでも「人財」が企業の持続的成長に欠かせない重要なファクターと捉え、従業員の賃金の改善、ワークライフバランスの推進、働きやすい職場環境作りなどを行ってきました。

これらの取り組みを一層強化すべく、新中期経営計画では、重要方針の一つとして初めて「人財の育成/人的資本の考え方をベースにした人財戦略」を掲げ、人的資本経営を実践していきます。具体的な施策として、新中期経営計画のスローガンである「『夢』と『幸せの三角形』」に沿った人財戦略ビジョンを打ち出すとともに、その実現に向けたアクション・プランとKPIを設定しました。

人財戦略ビジョンでは、「皆の幸せ」として従業員エンゲージメントを高めるため、「努力」を後押しする環境を整備し、「成果」を通じて達成感を得られる仕組みづくりを目指します。このビジョンの実現に向け設定したアクション・プランを実行し、それぞれのKPIを着実に達成していきます。

農薬は、農業生産性の向上や農作物の安定供給を確保するためには欠かせない資材であり、世界共通の課題である食料問題の解決に貢献しています。当社グループは、事業の継続、拡大を通じて社会課題の解決に取り組み続け、世界の持続可能な農業を支えるメーカーとしての責務を果たしていきます。

新中期経営計画では、「『夢』と『幸せの三角形』」をスローガンとして掲げ、株主の皆さまをはじめとしたステークホルダーの幸せの拡大を目指しています。先に述べた従業員の賃金改定に加えて、株主還元のさらなる強化に向け、新中期経営計画期間中における配当性向の目標値として、「30%以上を安定して達成する」ことを設定しました。事業の持続的な成長に向けた投資とのバランスを取りつつ、株主還元施策を実施してまいります。引き続きご支援をお願いいたします。

高木誠