黒星病

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    春型病斑（葉裏での発病）７月撮影

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    秋型病斑（薄黒く見える箇所）

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    裂果症状

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    芽基部の病斑

• 黒星病

  発生する部位

  葉、果実、芽基部、新梢に発生する。

  被害の特徴／見分け方

  葉では、「春型病斑」と「秋型病斑」の二種類の病斑が生じる。「春型病斑」では黒いすす状の病斑を生じ、「秋型病斑」は一般的に10月以降に見られ葉裏に薄く墨を垂らしたような病斑を生じる。果実では、幼果で黒いすす状の病斑を形成するが、その後かさぶた状の病斑となり、裂果の原因となる。

  発病しやすい条件

  黒星病の第一次伝染源は、前年の落葉上に形成される子のう胞子と芽基部上に形成される分生子である。子のう胞子の飛散は、３月下旬から４月上旬の降雨日に始まり、５月上旬から下旬に終息する。本菌の感染適温は15～20℃で、葉や果実が濡れた状態が一定時間以上継続すると感染し、発病する。「幸水」、「豊水」の幼果は、開花直後から５月上旬頃まで感染しやすく、さらに「幸水」の果実は６月中旬から７月中旬まで再び感染しやすくなる。

  防除のポイント

  • ① 冬季に被害落葉の処理や開花前後頃に罹病芽基部の除去など耕種的防除を徹底する。
  • ② 10月中旬から11月上旬までに２～３回保護殺菌剤を散布し、芽鱗片への黒星病の感染を防ぐ。
  • ③ 開花直前から満開10日後の時期は、葉や幼果の感受性が高く、第一次伝染源からの胞子の飛散が多いため、開花直前と受粉終了直後にDMI剤など効果の高い薬剤を散布する。散布時には耐性菌対策のため、保護殺菌剤を併用する。
  • ④ ６月中旬から７月中旬は、「幸水」で再び感染しやすい時期となるので、DMI剤やQoI剤を始めとした効果の高い薬剤を用いる。散布時には耐性菌対策のため、保護殺菌剤を併用する。

心腐れ症（胴枯病菌）

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    心腐れ症の発症果

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    胴枯病の病斑

• 心腐れ症（胴枯病菌）

  発生する部位

  果実に発生する。

  被害の特徴／見分け方

  果肉が内部から水浸状に腐敗する。本症状は、外観から判別することが難しいため、収穫後に発覚することが多い

  発病しやすい条件

  開花期から幼果期にていあ部から菌が侵入し、感染する。熟度が進んだ果実で発生が多く、収穫した果実を25℃以上で貯蔵すると発生しやすい。

  防除のポイント

  • ① 伝染源となる胴枯病の罹病部位を除去し、塗布剤を塗る。
  • ② 感染しやすい上向き果は摘果する。
  • ③ 感染しやすい開花期から幼果期に防除効果の高い薬剤を散布する。

炭疽病

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    炭疽病の病斑

• 炭疽病

  発生する部位

  葉に発生する。

  被害の特徴／見分け方

  発病の初期段階では、葉身や葉柄に直径0.5～1.0ｍｍ程度の微小な黒点を生じる。葉身では、その後直径2ｍｍ程度の病斑となる。病徴が進むと、葉は黄化し落葉する。「豊水」や「新高」で多発するが、「幸水」ではほとんど見られない。

  発病しやすい条件

  ７月中旬から落葉期にかけて発生する。被害落葉や花芽が第一次伝染源となり、降雨によって感染が広がる。

  防除のポイント

  • ① 被害落葉を処分し、本病が多発した枝を優先的に剪定する。
  • ② 収穫直前の防除には、防除効果が高く、収穫前日数が短いQoI剤を用いる。ただし、QoI剤は耐性菌の発生リスクが高い薬剤であるため、なるべく単剤での使用や連用を避け、年に２回程度の使用にとどめる。

• ファンタジスタの上手な使い方

  ファンタジスタ顆粒水和剤は、黒星病及び心腐れ症（胴枯病菌）に対して、高い防除効果を示すことから開花期から幼果期に散布することで黒星病と心腐れ症（胴枯病菌）の同時防除ができる。また、炭疽病に対しても高い防除効果を示すことから収穫直前の炭疽病対策にも有効である。
  なお、本剤は、耐性菌の発生リスクの高いQoI剤であるため、単用での使用や連用を避け、使用回数は年１回に制限し、保護殺菌剤との同時散布が望ましい。

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