TCFD提言に沿った情報開示

気候変動は、気温上昇による病害虫の増加、異常気象増加による農業生産への悪影響等、様々な問題をもたらす深刻な社会課題といえます。
そのため、当社グループは、気候変動の緩和と適応に向けて、温室効果ガス排出量を継続的に削減するなどの取り組みを進めるとともに、2022年11月に、「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言」への賛同を表明し、TCFD提言を踏まえた情報開示に取り組んでいます。

TCFDへの賛同

クミアイ化学グループは「いのちと自然を守り育てる」をメインテーマとし、農業に欠かすことのできない農薬を主力事業として成長してまいりました。当社事業は自然環境に密接にかかわっており、地球温暖化に伴う気候変動への対応は企業の経営基盤の持続可能性を確保するための重要課題です。
地球温暖化に伴う豪雨や洪水などの自然災害、気温上昇に伴う熱波や干ばつなどの気候変動による悪影響を経営リスクと捉え、脱炭素社会に向けた取り組みに努めるとともに、新たなビジネスチャンスとしての機会の側面も考慮して企業戦略を策定しています。
クミアイ化学グループは、気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures: TCFD)の提言に賛同し、TCFD提言の枠組みに沿って当社の気候変動への取り組みを積極的に発信してまいります。

レスポンシブル・ケア
レスポンシブル・ケア

ガバナンス・リスク管理

当社グループは、「クミアイ化学グループ企業基本理念」のもと、「クミアイ化学グループサステナビリティ基本方針」を定め、サステナビリティ経営の推進による企業価値の向上を図るとともに、ステークホルダーの期待やニーズを踏まえ、持続可能な社会の実現に貢献します。
サステナビリティ経営の推進に当たり、社長をトップとする「サステナビリティ推進委員会」を設置し、下部組織としてESGカテゴリー別に3つの部会を組織しています。同委員会及び3部会は、サステナビリティ関連の目標・進捗を審議・協議し、「持続可能な社会の実現」に向けた取り組みを推進しております。
気候変動に関して、マテリアリティの一つに「気候変動・環境負荷の低減」を掲げ、気候変動が当社グループにもたらすリスクや機会を洗い出しています。またシナリオ分析を行い、当社グループが目指す「安全・安心で豊かな社会」シナリオ(いわゆる1.5℃シナリオ)、気候変動等の社会課題が深刻化する「持続可能ではない社会」シナリオ(いわゆる4℃シナリオ)を設定し、リスクや機会の当社グループへの影響度を評価しています。また、影響度の大きい重大なリスクや機会に対する対策を検討しています。
検討の内容については、サステナビリティ推進委員会に報告し、社長をはじめとした経営陣が、気候変動リスク・機会について協議しています。

指標・目標

当社グループでは、2019年度を基準年とし、スコープ1+2のGHG排出量を2030年度までに2019年度比30%削減とする目標を掲げています。クミアイ化学本体だけでなく、当社グループの内、GHG排出量の多くが見込まれるグループ7社(工場保有会社、物流会社)をターゲットとし、その7社のGHG排出総量を削減目標としています。工場等の設備投資によるエネルギーの効率化や太陽光発電などの再生可能エネルギーの有効活用など通じてGHG排出量削減を行っていきます。

戦略

当社グループでは、当社グループが目指す「安全・安心で豊かな社会」シナリオ(いわゆる1.5℃シナリオ)、気候変動等の社会課題が深刻化する「持続可能ではない社会」シナリオ(いわゆる4℃シナリオ)を設定し、リスクや機会の当社グループへの影響度を評価しています。
主なリスクや機会、その対策については以下の通りです。当社グループが目指す「安全・安心で豊かな社会」の実現が、当社グループにとってプラスになることが改めて確認できました。