環境配慮型製品・サービスの提供

考え方

国内で使用される全ての農薬は、「農家」「作物」「消費者」「環境」等の観点から、さまざまな試験を行い、基準をクリアして安全性を認められたうえで国の農薬登録を受けなければなりません。
クミアイ化学工業では、「安全性の高い農薬の効率的創製」をテーマとして、将来的に役に立つことが期待される新しい安全性評価研究を精力的に進めています。たとえば、in silico (イン・シリコ;コンピュータの中)の評価で安全性の高い農薬を選抜する研究や、培養細胞を用いてin vitro (イン・ビトロ;試験管の中)で安全性を評価する研究を行っています。こうした取り組みによって、新農薬開発のごく初期段階から人や環境への影響を予測することを目指しています。

低炭素商品

アクシーブ

当社の主力商品であるアクシーブはダイズ、コムギ、トウモロコシといった世界の主要作物に使用できる畑作用除草剤です。アクシーブは「同じ作用性の市販除草剤と比べて10分の1程度の薬量で同等以上の効果」を性能目標に開発されました。
現在、アメリカ、オーストラリア、アルゼンチンなど世界各国で好調な販売を継続しています。
薬量の軽減により環境負荷の低減だけでなく、製造時や輸送時のエネルギー効率が高い低炭素商品として今後も需要の増加が見込まれています。

豆つぶ剤

豆つぶ剤は、当社が独自に開発した水稲用の水面施用剤です。通常の粒剤は粒の大きさが0.8~1.2mm程度であり、水田に施用すると水の底に沈み、沈んだ粒剤から徐々に有効成分が溶け出す製剤であるのに対し、豆つぶ剤は、粒の大きさが3~8mmと大きく、水田に撒くと水面に浮かびながら短時間で崩壊して有効成分を水面全体に拡散させることができます。
従来の水稲用除草剤は10aあたりに必要な量が1kg~3kgでしたが、当社が開発した「豆つぶ剤」は10aあたりの必要量が250gと非常に少なく、農薬の使用量が約10分の1程度となっており、環境負荷が軽減されています。

微生物農薬「クミカエコシリーズ」

微生物農薬とは、自然界に存在する細菌や糸状菌などから利用可能なものを見つけ出し、独自の培養技術や製剤技術を駆使して、農薬としての機能を磨き上げたものです。
当社は2003年に初の微生物農薬として水稲種子消毒剤「エコホープ®」を販売開始し、常温保存可能で適用病害の拡大と効果安定性の向上を実現した「エコホープ®DJ」、果実に対する汚れが極めて少なく、保存性に優れた園芸殺菌剤「エコショット®」を商品化しました。
昨今、注目されている化学農薬・化学肥料の使用量を50%以下に減らした特別栽培や環境に配慮したIPM(総合的病害虫・雑草管理)について、当社の「クミカエコシリーズ®」は有効成分数にカウントされない、有機農産物の日本農林規格(JAS)に適合した薬剤であるため、特別栽培やIPMを実践する農家から支持されています。