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クミアイ化学工業株式会社|化学研究所・生物科学研究所

クミカの製剤技術クミカの製剤技術

新たな製剤型への挑戦!豆つぶ剤新たな製剤型への挑戦!豆つぶ剤

~豆つぶ剤とは~

通常の粒剤(上)と豆つぶ剤(下)の比較
図1. 通常の粒剤(上)と豆つぶ剤(下)の比較

 豆つぶ剤はクミアイ化学が独自に開発した水稲用の水面施用剤である。通常の粒剤は粒の大きさが0.8~1.2mm程度であり、水田に施用すると水の底に沈み、沈んだ粒剤から徐々に有効成分が溶け出す製剤であるのに対し、豆つぶ剤は、粒の大きさが3~8mmと大きく、施用すると水面に浮遊し、水面を浮遊しながら短時間で崩壊して有効成分を水面全体に拡散させることができる自己拡散型の製剤である。水田における有効成分の拡散性が非常に優れ、水田に入らず様々な省力的散布が可能であることが豆つぶ剤の大きな特徴である。


~新たな製剤型への挑戦~

豆つぶ剤開発のヒントとなった鯉の餌
図2. 豆つぶ剤開発のヒントとなった鯉の餌

 1995年当時、新製剤研究室に所属していた開発担当者は、「今までになかった新たな製剤」に日々頭を悩ませていた。新たな製剤として抱いたイメージは水に浮いて水面で崩壊分散する製剤であった。
そして、水田を眺めているなかで、ふと閃いたのが会社の池で飼っている大型の鯉用の餌であった。すぐにホームセンターで買い求め、水を張った大きな容器に撒いてみると、その散布しやすさを実感し、“豆つぶ剤”の開発に挑んだ。


「豆つぶ剤」を実現した製剤技術「豆つぶ剤」を実現した製剤技術


豆つぶ剤が崩壊する様子
図3. 豆つぶ剤が崩壊する様子

 豆つぶ剤は水面に浮くことが必須であるが、製剤を水に浮遊させるためには、浮袋(中空体)を製剤中に配合し、相対的な比重を1以下とする必要がある。しかし、一般的に用いられる中空体では、3~8mmの大きな粒を浮遊させるためには必要な配合量が多くなり、農薬有効成分を配合する余地がなくなってしまう。そこで、当研究所は補助剤と造粒技術を最適化することによって製剤の比重を1以下とし、10aあたりの散布量が250gという高濃度の製剤の実現することを可能とした。

 また、豆つぶ剤の特徴として、水面での良好な崩壊性、および拡散性がある。通常の粒剤より大きな粒を水面で速やかに崩壊、拡展させることでは容易ではないが、気相-液相-固相の界面で効果的に作用する界面活性剤を見出し、豆つぶ剤の実現に至った。


豆つぶ剤の挙動
図4. 豆つぶ剤の挙動

 その一方で、前述した“豆つぶ剤の実現”は実際のところ当研究所のゴールではない。それはなぜかというと研究所でできたことが工場でも同様にできるとは限らないからだ。研究所レベルから工場レベルへのスケールアップ性は製剤処方によって異なる場合が多く、最終的には工場の熟練した従業員と協力し、これまで蓄積された製造技術を駆使しながら、ひとつひとつの製品を仕上げていく必要がある。


農家の方々がより使いやすい農薬を農家の方々がより使いやすい農薬を


ひしゃく散布の様子
図5. ひしゃく散布の様子

 従来の水稲用除草剤は10aあたりの処理量が3kgまたは1kgであり、水田一面に均一に製剤を散布することは、肉体的な負担が大きく、時間を要する作業であった。そういった状況のなかで、豆つぶ剤は10aあたりの処理量が250gと非常に少なく、その優れた拡散性により必ずしも均一な散布を必要としないため、様々な散布法を適用することができる。散布法としては、手撒き散布、袋散布、ひしゃく散布のほか、大規模圃場では動力散布機や無人ヘリ、ラジコンボートによる散布が可能である。


 図6に大規模圃場における有効成分の拡散性を示した。当研究所では薬剤を散布した圃場の田面水を経時的に採水・分析し、実際の圃場における有効成分の拡散性を製剤処方の設計に反映させている。このようなデータの蓄積が、豆つぶ剤の優れた拡散性を実現させているのである。

  • 大規模圃場における有効成分の拡散性(左:散布1日後、右:散布3日後)
    図6.大規模圃場における有効成分の拡散性
    (左:散布1日後、右:散布3日後)
  • 大規模圃場
    圃場規模
    60m×130m(78a)
    散布方法
    風上3辺からひしゃく散布
    風 :1~2m/s
    採水地点:1~15

未来の農業を変える製剤を目指して未来の農業を変える製剤を目指して

 現在、日本の農業は大きな転換期を迎えており、今後農薬製剤に求められる剤型や性能は大きく変化する可能性がある。当研究所では、そのような変化に対応していく製剤を開発していくことは当然であるが、それと同時に“農業を変える新たな製剤”を創出していきたいと考えている。

有効成分の効果をムダなく、最大発揮!!
ハイブリッド・リリース技術
有効成分の効果をムダなく、最大発揮!!|ハイブリッド・リリース技術

概要概要

 クミアイ化学が永年培ってきた最先端の製剤技術と最高水準の製剤設計が結したピリミスルファン剤

有効成分の特性を生かし、
最適な溶出パターンを単一の製剤で得るため、
複数の「独自制御技術」を組み合わせた製剤技術

[POINT!!]
・溶出制御
・初期水中濃度の向上
・土壌移行性抑制
・溶出の持続性
図:ハイブリッド・リリース技術

ピリミスルファン剤の製剤設計ピリミスルファン剤の製剤設計

図:ピリミスルファン剤の製剤設計

ハイブリッド・リリース技術により、「溶出制御」と「初期濃度向上」の相反する溶出を単一製剤で実現!