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新剤の発見経緯新剤の発見経緯

ピロキサスルホン(KIH-485)の発見経緯ピロキサスルホン(KIH-485)の発見経緯

ピロキサスルホン(KIH-485)
ピロキサスルホン(KIH-485)

 ピロキサスルホン(KIH-485)は、イソキサゾリン系の畑作土壌処理兼茎葉処理型除草剤である。

 ピロキサスルホンに関する研究は、ピリミスルファン(KIH-5996)の選抜終了後から開始した。その際にクミアイ化学グループの基幹剤であるベンチオカルブの高活性化を目指し、カーバメート部分のヘテロ環への変換を計画した。また研究開始当時、同業他社からのイソキサゾリン系化合物に関する特許が出願・公開されており、さらに1,3-双極子環化付加反応を利用したイソキサゾリン環構築の容易さから導入を行った。

 イソキサゾリン環上5位にジアルキル基、特にジメチル基を導入した化合物が、畑作土壌処理にてヒエやエノコログサ等の禾本科雑草に対して優れた効果を示した。そこで、「畑作土壌処理の市販剤であるs-metolachlorやacetochlorの1/10の投下薬量で同等以上の効果を示す化合物を見出す」ことを目標とし、精力的な探索研究を開始した。

ピロキサスルホン(KIH-485)

 その後、ベンジル位のベンゼン環上置換基の変換やベンゼン環の各種ヘテロ環への変換を行い、ピロキサスルホンを見出すに至った。その選抜過程では、土壌吸着性に着目し、化学構造とハウス内ポット試験や圃場試験での効果を確認・検証し、最適化を進めていった。ピロキサスルホンは、研究開始当初目標としていた市販剤の1/10の薬量である100~250g a.i./haという低薬量で、禾本科雑草から小型種子広葉雑草までの幅広い防除スペクトラムを示すことが現地圃場で示された。

 このようにピロキサスルホンは、ケイ・アイ研究所*1の合成研究室、物性研究室とクミアイ化学生物科学研究所の選抜研究室と連携し、探索開始から約4年という短期間で見出された。原体の製造法検討においては、早い段階からイハラケミカル研究所*2との連携により、スムーズに移行を行うことが可能であった。

 ピロキサスルホンの創製過程で得られた知見は、次に示すフェノキサスルホン(KIH-1419)や他の植物制御剤の創製研究に有効に利用されている。