Vol. 08

JA佐久浅間 小沼支所訪問記

2010年8月13日

冷たくも暖かい町八戸

佐久浅間は「信濃の国は十州に・・・」に肥沃の地と詠われる4つの平のひとつ佐久平が広がるエリア。青く済んだ空気と美しい豊かな自然に囲まれた地域だ。
北には噴煙たなびく浅間山が悠然とそびえ、南には八ヶ岳が連なる。南北を貫く千曲川の清き豊かな流れは古より人々の暮らしを潤し、肥沃な耕地を形成してきた。
ここでは、その恵まれた自然環境・気候・立地条件を生かし、野菜を中心として米穀・果樹・花き・きのこ・畜産など、様々な生鮮農畜産物が生産され、全国に出荷される。
全国市場を支える生鮮農畜産物の総合供給産地。まさに「海こそなけれもの沢に 万(よろず)足らわぬ事ぞなき」地なのである。

気候に恵まれた土地が産する新鮮な高原野菜

佐久浅間の主力はなんと言っても高原野菜だ。高原野菜生産の盛んな長野県内でもトップの生産量を誇り、たくさんの野菜が栽培されている。高品質・安全な野菜づくりに対する市場評価の高さは言うまでもない。
高原野菜のおいしさを育むのはひとつに気候。耕地の標高は500~1,300mに広がり、冬は寒気がかなり厳しい。栽培期も昼夜の気温差が大きいのが特徴で、これがおいしさを生む。
おいしさの秘密はもうひとつ。新鮮さを保つ工夫だ。ブロッコリーでは氷詰めによる品質管理もいち早く取り入れた。また、エリア各所は予冷施設を整備する。小沼支所で拝見したのは「真空予冷庫」。真空冷却という方法でたくさんの野菜の温度を短時間に均一に下げることが出来、これにより集荷時の鮮度が保たれる。この予冷と低温輸送により、採れたての鮮度のままのおいしい野菜をいつでも消費者の元へ届けることが可能なのだ。

BT剤に望むこと

我々が訪ねたのは、浅間山の南麓に位置する小沼支所の集荷場。
折しも大型台風9号が本州を通過し、当エリアを直撃する時であったが、風雨の強くなる中も、レタス、ハクサイ、ブロッコリーとたくさんの野菜が集荷されてくる。
集荷作業のお忙しい中を縫って指導員を務める井出さんにお話しを伺う。
 「エリアでの野菜害虫の発生動向はヨトウガなど大型のチョウ目昆虫が増えてきている傾向。大型のため食害が大きい。」 「微生物殺虫剤BT剤については化学農薬とのローテーション利用で定着しており、収穫前の最後の仕上げには安心感のある非化学農薬としてBT剤での防除を入れることが多いが、スペックがもう少し広がってくれればと思っている。」
この点、新規微生物殺虫剤の「エコマスターBT」は複数の殺虫性タンパク質を産生するため、幅広い殺虫スペクトラムを実現しており、大型のチョウ目害虫にも効果が高い。
井出さんのお話では小沼支所では関西への出荷が多く、約6割を占めているとのこと。中京への出荷もある。関西でキャベツと言えばお好み焼き。中京なら味噌カツの横に千切りでしょう。高品質で安全な高原野菜が取れたての鮮度のまま鉄板の上でジュウッと音を立てるのは、この台風が通り過ぎる頃だろうか。
風雨がさらに強くなる中、そんな想像をしながら、ついぞ頭を見せなかった浅間山を後にした。

新鮮高原野菜

エコマスターBT

自然界に存在する細菌バチルス・チューリンゲンシス菌の生芽胞および産生結晶毒素(BTトキシン)を有効成分とする微生物殺虫剤です。遺伝子操作や死菌化などの処理を行っていないBT生菌剤です。

エコマスターBTの特長

  • 微生物農薬のため人畜、魚介類、鳥類に対する毒性が低く、また新JAS法に基づく「有機」 農産物の生産に使用できる天敵等生物農薬に指定されています。特別栽培農産物において使用成分回数にカウントされません。実際の使用、農生産物表示にあたっては、地方公共団体等の認証機関にお問い合わせください。
  • 生芽胞がタンパク結晶毒素の殺虫効果を増強します。
  • ヨトウムシ類に高い活性を示すCryICを始めとする複数の殺虫性タンパクを含むため、ヨトウムシ類だけでなく、他のチョウ目害虫もまとめて防除することができます。
  • クルスターキ系統 と抵抗性が交差しないアイザワイ系統を使用することにより、BT剤の連用が可能となり抵抗性コナガに対して理想的な防除体系が構築できます。
  • ドライフロアブル製剤を採用することにより、製剤過程での殺虫性タンパクの変質を最小限にとどめるとともに、粉立ちが少なく計量しやすいという使いやすさを同時に実現しています。